2004年06月15日 Tue 00:20

「ネットの未来」探検ガイドを読みました

週刊アスキーの連載「仮想報道」でWEB上の出来事などを
いつも独自の視点から、面白く分かり易いコラムを執筆されている、
歌田 明弘氏の著書『「ネットの未来」探検ガイド』
を今更って感じですが、読んでみました。

内容は検索サイト(GoogleとYahoo!の比較や各種サービス)、
ウェブ・サービス(XML技術、RSSとニュースリーダー等)、
Webアーカイブ(それに伴う著作権問題等、時間の壁)、
機械翻訳(言葉の壁)、P2Pテクノロジやグリッドコンピューティングと
多岐にわたる分野をユーザサイドからの視点で書かれていて、
事例も豊富で、今まで知らなかった事もかなりあり、非常に面白く、
また、専門書や技術書などと違い、個々の技術の説明よりも、
それを使ってユーザが何を出来るかと言う点が重視されていて、
いい意味で気軽に読める一冊だと思いました。

もちろん、それぞれの詳しい情報や技術も重要ですが。

2004年1月発行となっていますが、
様々な雑誌等に掲載されたものを元に書かれているので、
若干古いと感じる方もいるかと思いますが、
それでも、この本の価値は、新しさだけでなく、
その時代から見たWeb技術の発展の断面を見ることができ、
これからここに書かれている技術などの変化があった時、
この本の内容と比較してみるのも面白いかもしれません。

全6章構成で一つ一つ感想などを書いていくと、
とても長くなりそうなので、割愛しますが、
どの章も、簡潔かつ平易でまとまりがよく、
しかも、価格も税込みで¥798と非常に安価で、
持ち歩いても、かさばらない新書サイズなので、
移動時などに、さっと読むのにいいのではないでしょうか。
もちろん、じっくり読むのにも適していると思います。

この本を読んで、読みながら、そのサイトを見てみたり、
ツールを使ってみるのも面白いと思います。
もちろん、この本が出たときより、
サービスやツールが良く(もしくは悪く)なっていることもあると思いますが、
それを比較してみれるのも、この本の特徴かもしれません。

内容についても。コンピュータ技術にそれほど詳しくなくても、
十分理解できますし、実際に触れたことのある
サービスやツールもあるでしょう。
Web技術について少し理解が深まると思います。
また、詳しい人でも、新たな発見があるかもしれません。
(私は詳しくない方なので、非常に楽しめました)。

非常に面白い本なので、是非とも、新しい技術や情報を盛り込んだ、
この本の第二弾、第三弾と出て欲しいと思いました。

また、文系のコンピュータ書籍(で、面白い)というのはあまりないと思うので、
今後もこの様な本が出ると、様々なジャンルから様々な人が、
いろいろなアプローチが出来るのでは?
とか思ったりもしました。

「ネットの未来」探検ガイド Amazonアソシエト「ネットの未来」探検ガイド―時間と言葉の壁を超える
岩波アクティブ新書 著者:歌田 明弘
¥798 (税込) ISBN:4007000999

「ネットの未来」探検ガイド―時間と言葉の壁を超える
岩波アクティブ新書 著者:歌田 明弘
¥798 (税込) ISBN:4007000999

プロローグ―「インターネットの未来」を体験する
第1章 もっと便利にグーグルを使おう
 1 グーグルvsヤフー
 2 グーグル・ツールバー
コラム (1) 検索エンジン受難の時代
    (2) グーグルとヤフーの葛藤
    (3) 「目からウロコ」の検索エンジン調査
第2章 明日の検索エンジン―おもしろ検索・すぐれもの検索
 1 米国版グーグルの多様なサイト
 2 グーグルAPI
 3 グラフィック検索
コラム (4) グーグル・アンサーズ
    (5) まだまだあるグラフィック検索
第3章 サイトの壁を超えて
 1 ウェブ・サービス
 2 ニュース・リーダー
コラム (6) 本の文化を変えるアマゾンの全文検索
    (7) 意味を理解するウェブコラム
第4章 時間の壁を超えて―インターネットのタイムマシン
 1 昔にさかのぼる機械
 2 ウェブ・サイト保存プロジェクト
 3 ホワイトハウスのサイトで起こった「革命」
コラム (8) 蘇るフセイン政権のサイト
    (9) ハイテク技術をともなって蘇ったアレクサンドリア図書館
    (10) テレビジョン・アーカイヴ
第5章 言葉の壁を超えて
 1 インターネット時代の機械翻訳
 2 言葉の壁がほんとうに壊れるとき
コラム (11) 機械翻訳の栄枯盛衰
    (12) グーグルの泣きどころ
第6章 人と人のあいだを超えて―となりのコンピュータも私のコンピュータ?
 1 ファイル共有ソフト
 2 フリーソフトで体験する科学の最前線
 3 コンピュータがソケットになる日
コラム (13) 日本でもはじまった分散コンピューティング・プロジェクト
    (14) 国家プロジェクトと「デスクトップの巨大科学実験」
エピローグ

歌田 明弘氏のその他の作品

本の未来はどうなるか―新しい記憶技術の時代へ
中公新書 ¥819 (税込)

インターネットは未来を変えるか?―科学技術を読み解く
アスキー ¥1,680 (税込)

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Posted by tugaa | Comments (0) | Category( Book・Magazine・Comic・Music・etc )
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